⑪退散

さよならイメージ 保育園・待機の記録
akizouさんによる写真ACからの写真

長男と、いまだ悪阻の続く、妊娠中の身。

本来なら余計な負の感情は持ちたくない。でも忘れたくても忘れられない。

家事をしながら、長男の相手をしながら、ただひたすらに、悶々と、負の感情でいっぱいになっていた・・・

衝撃的な事実を突きつけられたその日、今できる行動パターンと二人目の行き先について夫と話し合った。

※ちなみに、以下のパターンには「仕事を辞める」選択肢は無い。
簡単に辞める決断ができるなら、とっくにやっているので・・・

点数が低いし、就労でも無いが、とりあえず結論を先延ばしにして、今申請書を出してしまうパターン。

メリット
今とりあえず楽になる。

デメリット
3月末で今いるI園を退園した後、4月から新しい保育園に入るが、7月には退園。あまりにも環境が変わりすぎて、親子共に負担が大きい。

※ちなみに、一時保育後も認可保育園に残り続けるには、二人目の育休をとらずに、産後3か月ほどで職場復帰する必要がある。
しかし、そもそもほとんどの認可保育園は生後6か月からしか受け入れをしていないため・・・

3月末 長男I園退園
5月  二人目出産
4月頭 長男認可保育園入園(一時保育)
7月頃 長男認可保育園退園
8月頃 二人目生後3か月で職場復帰。二人目はとりあえず祖父母に預けるか、認可外保育園のI園の一時保育を利用する。
11月頃 二人目が生後6か月になるので認可保育園に入れる。(枠があれば、の話)

・・・という恐ろしくややこしいスケジュールになる。

I園に来年度もお世話になり続けながら、認可保育園への応募を続けるパターン。

メリット
・長男への負担が最も少ない。

デメリット
・待機のポイントは2年で消えることから、来年からは条件がやや悪い状態からのスタートになるので、認可保育園に入れる可能性は低くなる。

・仕事をしていない状態だと定期コースには入れず、一時保育になるので、半日預けたとしても、保育料が1日4,000円近くかかる。平日毎日預ければ、認可保育園に預けた場合の5倍ほどになる。

・I園は3歳児以上の子供にとっては狭いので、たくさん運動するのは難しいし、同じ歳の子も、まずいないと思われる。

これは金銭的にかなりきつい上に、先行きが不透明すぎる。

現在、未就園児のリトミックに月一で通っている家の近くの幼稚園に入れるというパターン。

メリット
・毎日安定して通うことができ、歩いて5分かからないので、育休中のんびり生活ができる。

・金銭的負担が認可保育園と同じくらい少ない。(I園には月7万近く払っていたが、幼稚園になれば、2万5千円ほどになる。)

デメリット
・幼稚園を選んだ時点で、二人目育休終了後は保育園と幼稚園のダブル送迎になる。

・幼稚園は保護者の出番が多いので、育休就労後に仕事との両立が大変になる。

育休中はそこそこ忙しく、仕事復帰後は怒涛の忙しさが予想できる・・・

来年度は認可保育園も幼稚園にも入れず、再来年、二人目が無事産まれて認可保育園に応募できるようになった時に兄弟一緒の園に応募するパターン。

メリット
・長男は二人目が産まれた後、家で一緒に過ごすことができる。

・もし上手くいけば、二人同じ認可保育園に通うという念願の構図ができあがる。

デメリット
・新生児の子育てと、体力の余る長男の世話で大変な日々が待っている。

・万が一失敗すれば、育休明けに仕事復帰できず、二人目は育休延長、長男は行き場を失うか、幼稚園に年中から入園することになる。

こうやって並べてみると、どのパターンもデメリットが圧倒的に大きい。

特にパターン④なんかは、ハイリスクハイリターン。

失敗すれば、ほぼ仕事を辞めざるを得ないような状況になるだろう。

ちなみに現状、どのパターンであっても、新設園以外は妊娠・出産の点数のみでの入園はとてもじゃないが無理。

職場からかけ離れた認可保育園のみ空きがあったが、出勤時間が10時くらいじゃないと間に合わない場所だった。
(職場は、本来8時出社のところを、認可外保育園の開所時間に合わせて9時にしてもらっていた)

どのパターン、どの道を選んでも棘の道・・・

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決断

絶望的な4パターン

何がなんでも認可保育園に行かせるなら、パターン①を選んで、生後3か月で職場復帰するべきだろう。

だがしかし・・・

もともと場所見知りが激しく、かつ母親の出産で環境も大きくかわり、ストレスを抱えるであろう長男に、全く知らない保育園に行かせた挙句、一旦退園、その後しばらく家での生活に戻り、安心したところでまた保育園に戻る・・・

しかも、赤ちゃんである二人目は大好きな祖父母や、以前自分が行っていた認可外保育園に預けられるのを見ながら。

そんなかわいそうな目に合わせてまで認可保育園にこだわるほどの気合いは私には無かった・・

某日。長男が寝静まった頃。

夫婦で話をした。というか私から話をした。

「保育園はもうやめることにした。」

そっか・・・  

今まで散々経緯やパターンを聞かされていた夫は、ため息をついた。

今の状況では長男を幸せな形で認可保育園に入れることはできない。

私はパターン③の、長男を幼稚園に入れる道を選んだのだ。

もうこれ以上あちこち振り回すのは嫌だ。

保育園事情に振り回されるのも嫌だ。

平和な気持ちで子育てがしたい。

たとえ幼稚園に入れた後、保育園と幼稚園の二重送迎になったとしても、このパターンなら、私が頑張れば済むし、長男が小学校に入れば送迎は保育園のみ。

つまり2年限定のダブル送迎。(初年度は育休中のため)

幼稚園と保育園のダブルの生活では、時間的に正社員には応募もできないが、職場は定年を超えても安定して働ける場所。たった数年くらい、別にいい。

世の中、何をしてでも働くしかない母親もいる中、覚悟が足りないと言われればそうだが、私にできるのはここまで。

もう後悔しない。

もともと、知らない場所に行くのも、電話するのも、苦手だったが、この2年余り、数えきれないくらいいろんなところに電話したり出向いたりした。

何度も役所に通った。紙もペンも出さず、何のメモすら取らない、“話聞いてやるだけ職員”に腹を立てたりもした。

認可保育園にすんなり入れた、春生まれの子をもつ同僚に比べれば、何十万も多く認可外保育園にお金をかけた。

本当にたくさんのことを考えてきた。

でももうやめる。

私は認可保育園の書類をゴミ箱に捨てた。

今年中に長男の保育園待機状態も役所のデータから消えるだろう。

今までの努力も何もかも無かったことになる。

でもなんだか、本当に久しぶりにスッキリした。

いづれ形を変えてのしかかってくるであろう、子供の預け先という名の重荷を、いったん心の隅に置いて、新しく生まれてくる二人目と、幼稚園という新たな場所に向かう長男のことでいっぱいにしていこうと思った。

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